GOGOモンスター / 松本大洋

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ユキは脳が硬くなっていくのを恐れる。それは世界がまだ硬くない状態ということだ。だから世界が他のようにもユキの眼には出現する。水がただの水でなく風が風としてだけでなく…。人はそれを何かと同定して社会に馴染んでいく。水は水であり風は風にすぎない…。だからユキは変人扱いされる。

世界が固定されていないから、自分もまだ固定されていない。他の何かであっても不思議でない。安部公房の「箱男」のようなIQも箱を頭にかぶり素顔を見せない。彼もまた誰かとして特定される要素(顔)を隠す。ユキは彼に親しみを感じている。
でも歳を重ねるにつれ、そのままでいられなくなる。ユキはスーパースターの側へ行きたがる。しかしスーパースターの世界は寒く暗い。だって固定していない世界は混沌だから。何もないことに等しいから。
ユキもIQもこの世界に入り、そして抜け出てきた。どうやって? IQは自分が可愛がっていたウサギによって。ユキは自分に関心をよせてくれたマコトによって。自分ではない何か(他者)に認知されることで2人は自分の輪郭がはっきりする。世界は混沌ではもうない。
ユキが引き戻されるときの声がいう。
『君の花が咲くよ。その時が来たよ。』
つぼみの頃、どんな花になるかまだ決まらない。でも咲いてしまえば他ではもうありえない。それはR.D.レインの言葉を借りれば、“エクスタシーの放棄”だ。それがいいことなのかはわからない。でも社会の中で生きるには必要なことなのだろう。最後ユキとマコトは笑顔で駆け抜けていく――。 – posted by 若

ピンポン」、「鉄コン筋クリート」などで絶大的な人気を誇る松本大洋の描き下ろし(450ページ)オリジナル作品。他の人には感じられない世界を見ることができるユキと、ユキの唯一の友達 マコトの物語。
ユキにしか見えない変なモノの描写にゾクゾクします。当たり前だと思っている日常の平穏というのはあれくらい不安定なものでしかないのかも。“内面に不安定なモノを抱える主人公が親しい人物の力を借りて乗り越える”というテーマは「鉄コン」との類似を感じてしまい、そういう意味で面白くなくはないけど、もう一つ満足感が得られませんでした。
装丁もハードカバーだったりで豪華なのは良いのですが、値段が2,500円と少し割高です。松本大洋の作品は満足できる作品が多いものの、やっぱり高く感じてしまいます。例えば「ピンポン」を全巻揃えると約5,000円というのは結構だと思いません?

GOGOモンスター

著者/訳者:松本 大洋

出版社:小学館( 2000-11 )

定価:¥ 2,625

Amazon価格:¥ 2,625

単行本 ( 455 ページ )

ISBN-10 : 409179341X

ISBN-13 : 9784091793416



100 (Big spirits comic special)

著者/訳者:松本 大洋

出版社:小学館( 1995-11 )

定価:¥ 2,625

Amazon価格:¥ 2,625

大型本 ( 92 ページ )

ISBN-10 : 409199721X

ISBN-13 : 9784091997210



101 (Big spirits comic special)

著者/訳者:松本 大洋

出版社:小学館( 1999-05 )

定価:¥ 2,625

Amazon価格:¥ 2,625

大型本 ( 85 ページ )

ISBN-10 : 4091997228

ISBN-13 : 9784091997227


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