動機 / 横山秀夫
表題の「動機」を含む4編を収録した短編集。相変わらずレベルは高くどれも読ませるのだけど、中でも「動機」は小気味よい話。やはり嘘臭くなく気持ちの良い人間関係が出てくる話って好きです。
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表題の「動機」を含む4編を収録した短編集。相変わらずレベルは高くどれも読ませるのだけど、中でも「動機」は小気味よい話。やはり嘘臭くなく気持ちの良い人間関係が出てくる話って好きです。
表題の作を含む6編が収録された連作短編集。強行犯係の1~3班が遭遇する様々な事件とは…。
1班の班長 朽木は理論派、2班の楠木は非道なまでの冷徹さ、3班の村瀬は天性の直観力、と班ごとに性質が分かれていて、どれもがとんでもないやり手なのだけど、それぞれの性質に合わせた解決法で物語が展開されるのは見事。ガリガリに成果を求めてるかと思いきや、思わぬところに人間味があったりして、その辺も面白いです。ドラマ化された「顔」よりもこちらの方がずっとオススメ。
鑑識の似顔絵描きだった瑞穂は、“とある出来事”がきっかけで別な部署に回されてしまう。似顔絵の仕事に名残を感じながらも新しい職をまっとうしようとする瑞穂は、そこに越えられない壁があるのを知るのだった…。ドラマ化もされた連作短編集。
“顔”というタイトルから、似顔絵をきっかけに事件が解決していくような(火サスのシリーズみたいな)話かと思っていたら、そちらは意外にもあっさりで、それより寧ろ職場(男社会)における女性の立場の方が主になっていたのでした。大雑把に言ってしまえば、女性の主人公が『何とかして男社会に一矢報いてやろう』と奮闘する物語なのですけど、そのテーマへのアプローチ自体は別に珍しいものではなく、『あぁこういうことってあるよね、不平等だよね』といったレベル。
一つ一つの話はきちんと完結しているものの、特別目新しさを感じなかった分、あまり強い感慨は受けませんでした。特に「半落ち」の後に読んだので、味気なく感じてしまった部分も。
現職警官だった梶は、アルツハイマーに侵される妻を殺害し自首してくる。動機も経緯も明確、でも殺害から自首するまでの空白の2日間については頑なに口を割ろうとしない。空白の2日間の“半落ち”状態に様々な男が挑むが…。
高潔に生きるのはとても難しい。誰もが思い通りにならなかったり、泥水と分かっていて飲まなければならなかったり。現にこの作品の大半の登場人物たちも“大人の事情”にのまれてしまう。でも、中には本当に高潔でい続けられる人もいる。
梶の妻殺しの理由は、実際に介護に明け暮れている人からは納得いくものではないでしょう。でも、梶のあの姿は何らかの感慨を呼ぶのではないかと思います。