陰陽師 -太極ノ巻- / 夢枕獏
シリーズ7作目。取り立ててこれぞというエピソードはないものの、これまでが楽しめればまったり楽しめる出来に今回もなっています。毎度ながら起こる様々な事件のアイデアがよく浮かぶものだなぁなどと感心してしまったり。
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シリーズ7作目。取り立ててこれぞというエピソードはないものの、これまでが楽しめればまったり楽しめる出来に今回もなっています。毎度ながら起こる様々な事件のアイデアがよく浮かぶものだなぁなどと感心してしまったり。
漫画版は完結しちゃったけど、まだまだ続く陰陽師シリーズ。やたら難解になってしまった漫画版に比べると、こちらは肩の力を抜いて読めるライトノベルというスタンスは、初期の頃から変わりません。蘆屋道満とか賀茂保憲とか、漫画版にも登場していた人物がこちらでも登場していますけど、キャラ作りが違う点に注目。個人的にはこちらのキャラ作りの方が面白いです。
ただの国家公務員が、こんな遠い未来でスーパースターになることになるとは…。そうはいっても安倍晴明は存命中に既にスターだったのだから、不思議でないのか。
しかし岡野玲子によって安倍晴明はクールで美しい人物像が固まったみたいだ。それに止まらず10巻にいたっては天地をつなぐ大役まで果たそうとし始めている。いいのか…?
コンピューターを使っているのだと思っていた絵は、スクリーントーンを何枚も重ねているらしい。でも、そんな細かさのおかげか、このマンガは雰囲気があると思う。
さらに膨大な情報が詰め込まれていて、それも面白い。1巻から“名”とは“呪”だという清明の語りがあったけれど、こういう歴史と地理が少し違って見てみたくなるのも「陰陽師」の好きなところだ。 - posted by 若(2002.06.23)
夢枕獏の同名の小説を岡野玲子が漫画化。岡野玲子の漫画は少々癖があるけれど、綺麗な描線と、とぼけた雰囲気は『原作を超えた』と言わしめるほど。一時期あった陰陽師ブームの火付け役にも、この作品が一役かっています。
独自のアレンジはあったものの、比較的原作に忠実だった序盤~中盤までは凄くイイのですけど、陰陽道などにどっぷりハマってしまったらしい作者の神秘主義に傾倒する様が露骨になる終盤は、抽象的すぎてついていけません。原作は今でも短編完結型ですけど、この漫画版もそちらの方が楽しめたのかなと思ったりします。有名な蘆屋道満とのエピソードもあんな風になってしまっては面白さ半減です。
朝日新聞で連載されていたシリーズ初の長編。・・とは言え、内容は「付喪神ノ巻」に収録されていた「鉄輪」をボリュームアップして焼き直したモノ。部分部分のエピソードがもう少し掘り下げてあり、オリジナルを知っている人でももう一度楽しめる内容になってます。
とは言え、全体的に引き伸ばした印象を受けてしまうのも事実。特に陰陽師の説明から登場人物の紹介まで再度収録されてるので、なかなか本編に辿り着けません。話自体はよくできているので、できれば漫画版でも扱って欲しかった…。
とりあえず漫画版が話題になることが多い作品ですが、これは原作の4作目。漫画版も10巻を超えてから文庫版で発売されたのを読みました。
これまでは漫画版の抑えのような感覚で読んでたんです。この原作でしかないような話もありますし、漫画であった話でもどういう表現になってるのか、とか。でも、この作品は思いの外、新鮮な気持ちで読めました。漫画版がひたすら“あちら側にいってしまう傾向”があるのに対して、この原作は最初のスタンスを守ったままなのです。この後「生成り姫」→「龍笛ノ巻」へと続くんですけど、少なくとも「生成り姫」を読んだ限りはまだ変わってませんでした。
・・ということで、漫画版は漫画版でアリかもしれないけれど、昔の怪異を解決していくスタンスも良かったなぁって方は一度手にとってみても良いかもしれません。漫画版では語られないであろう蘆屋道満との呪術合戦が収録されてるのも注目です。